ISO 6789 はどのようなトルクツールに適用されますか?

対象規格:ISO 6789:2003、ISO 6789-1:2017、ISO 6789-2:2017 · 更新日 2026-10-27

技術監修:Alston Hsiao(Chieh-Jen Hsiao)、STAND CTO

要点

ISO 6789 が対象とする工具は、管理された締付けに用いる指示式(Type I)およびプリセット式(Type II。固定調整式と目盛なし調整式を含む)の手動式トルクツールです。 トルクレンチとトルクドライバのどちらも対象になり得ますが、製品名に「トルク」が含まれるだけでは適用を判断できません。

力の加え方と用途から確認する

工具の資料を受け取ったら、まず締付けトルクを人の力で加える工具かどうかと、トルクをどのように指示または制御するかを確認してください。ISO 6789:2003 の適用範囲は、ボルト結合の管理された締付けに用いる手動式トルクツールです。2017 Part 1 はねじおよびナットの管理された締付けを明記し、手動式工具を Type I の指示式と Type II のプリセット式(固定調整式と目盛なし調整式を含む)に分けています。

どちらのタイプにもレンチとドライバが含まれます。工具が小さい、またはドライバの形をしているという理由だけで、対象外にはなりません。一方、電動工具やインパクト工具は、トルクを設定できても、その機能だけで本規格の手動式工具の分類を適用することはできません。複数の操作方式を備えた製品の場合は、製造者に、適用を宣言している機能と条件を確認してください。

電子表示と電動駆動を区別する

手動式工具にも電子式の測定機能を用いることができます。使用者が手で力を加え、工具が電子的にトルクを測定・表示する場合は、ISO 6789 の手動式工具に該当する可能性があります。電池を使うというだけで対象外にはできません。

逆に、数値を設定したりトルクを表示したりできることだけで、モータ駆動の工具が手動式トルクツールになるわけでもありません。力の発生源、測定方法、設定トルクに達したときの動作を分けて考え、製品文書に記載されたタイプを確認してください。分類が不明な場合は、試験結果の文書だけで適用を判断するより、先に機能を明確にするほうが確実です。

適用範囲内と分かったら、参照する部を選ぶ

対象となる手動式工具だと確認できた後も、文書の適用規格を正しく選ぶ必要があります。2003 年版は工具の要求事項と校正手順を 1 つの規格で扱います。2017 Part 1 は適合性試験と表示を、Part 2 は工具の校正と測定の不確かさを扱います。適用範囲に入ることは確認を始める前提であり、その製品が試験に合格していることを意味しません。

Part 2 は、工具の校正に用いるトルク測定装置も扱い、その校正要求を定めています。だからといって、測定装置が Type I または Type II の手動式締付け工具になるわけではありません。また、あらゆる動的測定や衝撃の測定が含まれるとも推論できません。調達や校正依頼の際には、測定対象の工具、使用する測定装置、必要な作業をそれぞれ明確にしてください。