ISO 6789:2003 の報告書は今も使えますか?どう読めばよいですか?

対象規格:ISO 6789:2003 · 更新日 2026-10-27

技術監修:Alston Hsiao(Chieh-Jen Hsiao)、STAND CTO

要点

2003 年版であることが明記され、依頼側の要求がその年版を受け入れていれば、適用規格が明確な文書です。 そのうえで、2003 年版の手順と文書の扱いに沿って内容を確認します。2017 年版で追加された情報がないという理由だけで、不完全な報告書と扱うことはできません。

年版と工具の識別情報を確認する

ISO 6789:2003 は、工具の要求事項と校正手順を 1 つの規格にまとめており、Part 1/Part 2 の区別はありません。2017 年版の 2 部に置き換えられているため、文書には「ISO 6789:2003」と明記し、「現行の ISO 6789 に適合」とは表現しないようにします。規格番号だけで年版がなければ、供給者に適用規格の補足を依頼してください。

その年版を受け入れるかどうかは、購買仕様、顧客との取り決め、指定規格で確認します。年版が明確であることは内容を読み解く前提であり、内容の正しさを保証するものではありません。2003 年版では、校正証明書を添付する工具に製造番号または識別番号を付すことが要求されています。受領時には工具の番号と報告書を照合し、手元の工具のデータであることを確認してください。

測定点と読み値は 2003 年版に照らして確認する

旧版の報告書を、2017 年版の読み取り回数でそのまま確認しないでください。例えば、同じ固定調整式トルクツールでも、2003 年版の Type II、Class B/E は公称値または設定値で 5 回測定します。データが 5 回分あること自体は、測定不足を意味しません。

通常の測定点は、工具の最大トルクの 20 %、約 60 %、100 % の順です。Type II、Class B/E は、これに代えて公称値または設定値で測定します。20 % の目盛線がない工具では、そのすぐ下の目盛を用います。各操作方向について、Type I のすべてのクラスと Type II、Class A/D/G は各点で連続 5 回、Type II、Class C/F は各点で連続 10 回読み取ります。

各読み値と偏差も確認してください。2003 年版ではすべての読み値を記録し、各読み値が該当する工具の許容差内にあることが要求されています。平均値だけでは、この条件を確認できません。

W/W′ がないのは、年版による違いです

2003 年版にも校正装置の不確かさに関する要求があります。指示値を基準として ±1 % を超えず、GUM に従い包含係数 k = 2 で計算します。この値は校正装置についてのものであり、校正対象の工具の不確かさとしてそのまま使うことはできません。

2003 年版では、後の 2017 Part 2 の W と W′ を工具ごとに計算することは要求されていません。この 2 項目がないこと自体は、2003 年版に適合していない証拠にはなりません。用途上、工具ごとのトレーサブルな結果と不確かさが必要なら、文書が実際に提供する情報を別途確認し、必要な校正内容を取り決めてください。