附属書 A の 10 N·m における不確かさの数値が一致しない場合、どう確認しますか?
対象規格:ISO 6789-2:2017 · 更新日 2026-10-28
技術監修:Alston Hsiao(Chieh-Jen Hsiao)、STAND CTO
成分と式に戻って再計算し、各表を照合すると、附属書 A の 10 N·m における結果は、Table A.15 に記載された 1.660 % ではなく、W = 1.160 % を採用すべきです。 これは、保存している 2017 年版の原文に基づく本記事の確認結果であり、ISO が発行した公式正誤票ではありません。
どの量の数値が食い違っているかを確認します
附属書 A は、指示式トルクツールを扱う参考の計算例です。同じ 10 N·m の校正点について、Table A.14 は w = 0.580 %、W = 1.160 % としていますが、Table A.15 の W は 1.660 % になっています。校正点は変わっていないため、異なる条件で行った2回の測定の違いとして説明することはできません。
表を読む際は、3つの量を区別します。w は成分を合成した標準不確かさ、W は拡張不確かさ、W′ はさらに平均誤差と装置の測定誤差を含む量です。異なる記号の欄を混同すると、明らかな数値の不整合を、量の定義の違いと取り違えやすくなります。
原文の計算例を成分から再計算します
以下は、この不整合を確認するために必要な原文の計算例の数値だけを示したもので、独自に作成した学習用データではありません。Table A.13 と指示式トルクツールの式に従い、分解能の項を2回分計上します。
w = √[(0.150 / 2)² + 2 × 0.029² + 0.304² + 0.396² + 0.092² + 0.255² + 0.080²] %
≈ 0.580024 %。
まず w = 0.580 % に丸め、その後 k = 2 を乗じると、W = 2 × 0.580 % = 1.160 % となり、Table A.14 と一致します。分解能の項の前にある係数2を省くと、この指示式トルクツールの計算例に対応する式ではなくなります。
次に、Table A.15 の他の加算項を使って照合します。W′ = 0.654 + 1.160 + 0.100 = 1.914 % となり、同表の不確かさ区間の結果と一致します。1.660 % を使うと合計は 2.414 % となり、表に示された W′ は得られません。印刷された2つの数値を比べるだけでなく、再現できる計算によっても確認できます。
修正値を採用する前に、式から再計算します
印刷された数値の誤りに気付いても、代わりの数値が正しいとは限りません。修正値の出所にかかわらず、上記の式と成分から再計算し、Table A.14 および W′ の合計と照合して、三者が一致してから採用します。
内部の計算記録で 1.160 % を採用する場合は、確認者が根拠をたどれるよう、原表の該当箇所、式、成分、再計算結果を残すことを勧めます。今回の確認は、この校正点だけを対象としています。附属書全体の数値の末尾の桁まで一つずつ確認したことを意味するものではなく、本記事を公式正誤票として扱うこともできません。