出荷時の文書は、なぜ「校正証明書」から「適合宣言」に変わったのですか?

対象規格:ISO 6789:2003、ISO 6789-1:2017、ISO 6789-2:2017 · 更新日 2026-10-27

技術監修:Alston Hsiao(Chieh-Jen Hsiao)、STAND CTO

要点

2017 年版では「工具の要求事項への適合」と「工具 1 本ごとのトレーサブルな校正」を分け、文書名をその文書が提供する証拠に合わせたためです。 Part 1 では適合宣言で適合性を示し、校正証明書を発行する場合は Part 2 の要求に従います。旧証明書の測定結果が無効になったという意味ではありません。

文書名だけでなく、文書の役割を分けました

ISO 6789:2003 は、工具の要求事項と校正手順を 1 つの規格で扱い、出荷時に校正証明書を添付できる仕組みでした。2017 年版では、設計・製造の適合性要求を Part 1 に置き、工具ごとのトレーサブルな校正と測定の不確かさを Part 2 で扱うようになりました。

改訂の理由は Part 1 のまえがきに示されています。従来、製造者が提供していた校正証明書の情報は、トレーサブルな校正を裏付けるには十分でない場合がありました。受領者にとっては、文書名が「校正証明書」で、測定値がいくつか載っていても、その結果のトレーサビリティの根拠と不確かさが分からなければ、何を確認できる文書なのかを理解できません。

このため、Part 1 から校正証明書の要求を外して適合宣言の要求を追加し、校正証明書の内容は Part 2 で定めました。適合宣言にも工具の識別情報、観測値、許容偏差内かどうかの判定が記載されます。数値のない保証文に置き換えただけではありません。

旧証明書はどう読めばよいですか?

この変更は、個々の旧証明書を無効と判断するものではありません。ISO 6789:2003 に基づく文書を受け取った場合は、まず依頼側の要求がその年版を受け入れているかを確認し、その年版の手順と実際の記録に沿って読みます。2003 年版は、後の Part 2 の W と W′ を工具ごとに記載することを要求していません。この 2 項目がないという理由だけで、元の測定結果を否定することはできません。

同様に、旧文書の表題を変えるだけで 2017 年版に適合したことにもなりません。年版、測定手順、文書の内容を併せて確認する必要があります。Part 2 の校正証明書が必要な場合は、対応する校正と不確かさの評価が実際に完了しているかを確認してください。

新品の工具にも校正証明書を添付できます

2017 年版は、製造者による校正証明書の提供を禁止していません。Part 1 の 5.2 では、要求を満たす工具について、適合宣言、または Part 2 に基づく校正証明書を交付することが認められています。用途に応じて両方を提供することもできます。

発注時には「Certificate を添付してください」とだけ書くのではなく、出荷時の適合性を確認したいのか、その工具の校正結果と不確かさが必要なのかを明確にし、規格の部番号と年版を記載してください。供給者は必要な内容を準備でき、受領者も何を確認すべきかが分かります。